デンマークのデジタル化

最近、デンマークのデジタル化についてリサーチしている。

2008〜2011年にオールボーに住んでいたので、CPRナンバー(国民ID)でほとんどの公的手続きが一貫して処理できてしまうことは経験していた(市役所で転出の手続きしたら、銀行や税金の登録住所が自動的に変わる!)けど、当時よりもかなりいろいろ進んでいるので調べれば調べるほど隔世の感がある。

ID関係だと、CPRナンバーがなんと1968年に導入されていたことが驚き。そして、デジタルID認証システムとして NemID が2010年に導入されていて、これを使ってオンラインバンキングや行政のオンラインセルフサービスにログインできる。

導入から10年経っていて、随時セキュリティ等はアップデートしつつ、国民ポータルの borger.dk では、なんと約2,000のオンラインセルフサービスのソリューションがそろっているのだとか。ほぼ市役所行く必要ない。そして、2020年11月からの最新の調査では、国民の 92% が borger.dk を使うことに自信を持っていて、ポータルの全体的な満足度も 92% となっているそうで。

日本でもこのレベルをめざしたいところだけど。。。

エネルギー分野では、10年ぐらい前までは「日本はデンマークより1〜1.5周遅れ」的な感じがあって、当時より多少進んではいるものの、その後のデンマークの進展がプラス2周ぐらいあるので、合計で3周遅れぐらいな感じ(あくまでも個人的な印象)。

デジタル化については、今回デンマークを調べつつ、日本の状況もぼんやり見ているけど、むしろ逆走しているようなところがあるので、3周遅れどころじゃないなー、と感じている(あくまでも個人的な印象)。

そして、その核心には「テクノロジー」や「ソリューション」を前提に考えはじめてしまうという問題があって、「人」や「ベネフィット」が前提になってない。ということは、実は関係者もみんなわかっているのに、止められないらしい。これは、デジタル化の進め方云々という問題ではなくて、日本の社会システムをどう変容させるかっていう問題だな、とおなじみの構造がまた現れる。

一方で、デンマークがなにもかもうまくいってるわけでもないことは、実際に何年か住んでみるとわかることなので、相互に学びあって、できるところから小さくアジャイルにはじめるしかないんだろうな、というおなじみの方向性にまた収束する。

それにしても、どこから手をつけたらいいんだろうねぇ?

余談

改めて探してみたら、2010年に NemID のお知らせを銀行から受け取っていたようだけど、デンマーク語でしか書いてなくて、よくわからなかったし、帰国後も激多忙だったのでそのままにしておいたら、いつのまにか口座が閉じられていたようである 笑

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